熱(ねつ、heat)とは、慣用的には、肌で触れてわかる熱さや冷たさといった感覚である温度の元となるエネルギーという概念を指していると考えられているが、物理学では熱とエネルギーは明確に区別される概念である。本項目においては主に物理学的な「熱」の概念について述べる。
熱力学における熱とは、1つの物体や系から別の物体や系への熱接触によるエネルギー伝達の過程であり、ある物体に熱力学的な仕事をすることでその物体に伝達されたエネルギーと定義される。
関連する内部エネルギーという用語は、物体の温度を上げることで増加するエネルギーにほぼ相当する。熱は熱エネルギーともほぼ対応しているが、正確には物体から物体へ熱エネルギーが伝達する過程が「熱」として認識される。
物体間の熱によるエネルギー伝達は、熱放射、熱伝導、熱伝達(対流)に分類される。温度とは内部エネルギーやエンタルピーの測定値であり、熱伝達を生じさせる基本的動きのレベルである。物体(あるいは物体のある部分)から他に熱によってエネルギーが伝達されるのは、それらの間に温度差がある場合だけである(熱力学第二法則)。同じまたは高い温度の物体へ熱によってエネルギーを伝達するには、ヒートポンプのような機械力を使うか、鏡やレンズで放射を集中させてエネルギー密度を高めなければならない。
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